治療のご案内

舌下免疫療法について

舌下免疫療法とは、アレルギーの原因であるアレルゲンに体を徐々に慣らし、反応しにくい体質へ導く根本治療です。薬で症状を抑える対症療法とは異なり、長期的な体質改善による生活の質の向上が期待できます。

治療期間は35年と長期になりますが、継続することで効果が得られやすい点が特徴です。

舌下免疫療法は、2014年にスギ花粉で保険適用となり、翌年にはダニアレルギーでも保険適用となりました。現在では多くのクリニックで治療が行われています。

主な薬剤:

  • シダキュア(スギ花粉)(当院にて処方可能ですが、現在出荷調整中)
  • シダトレン(スギ花粉)
  • ミティキュア(ダニ) (当院にて処方可能)
  • アシテア(ダニ)

治療開始時期と副作用

治療を始められる時期

花粉が飛散している時期(1月〜4)には治療を開始できません。

理由:

  1. 治療効果の発現に最低812週間かかる
  2. 花粉飛散シーズンはアレルギー反応が起きやすく、副作用が出やすい

推奨される治療開始時期:

スギ花粉の飛散が落ち着く57月に治療を開始するのをオススメします。そうすれば、次のスギ花粉飛散シーズンには症状緩和に期待ができます。花粉症シーズンに治療を開始することができないため、遅くとも12月までには開始しましょう。

副作用について

舌下免疫療法の薬剤は、化学的に合成した薬ではなく、実際の花粉から抽出して作られています。そのため、副作用も花粉によるアレルギー反応の延長上にあります。

主な副作用:

  • 口腔内のかゆみや不快感
  • のどの刺激感・不快感
  • 耳のかゆみ

重大な副作用: 蕁麻疹や呼吸困難を伴うアナフィラキシーショックという強いアレルギー反応が起こる可能性がありますが、極めて稀であることが報告されています。

当院の安全対策

患者の安全を確保するため、初めて舌下免疫療法を開始される方には、院内で薬を処方後、その場で薬剤を服用いただき、30分ほど副反応の有無を確認させていただきます。

治療費について

①まずはアレルギーの検査

舌下免疫療法を始める前には、症状の原因を正確に特定することが何より重要です。誤ったアレルゲンに対して治療を行っても効果が得られないため、診察と検査で原因を明確にすることが成功の第一歩となります。

 

検査に関わる費用:4000~5000円。(3割負担)*別途診察料などがかかります。

*検査は通常、スクリーニング目的に「VIEW39」を使用することが多いので、4000円~5000円としていますが、「ダニとハウスダストだけ」「スギ花粉だけ」選ぶと、もっと安くすることができます。なお他院で検査をしており、結果の用紙をお持ちであればこの検査は不要です(但し、あまり時間が経過していると再検査が必要)。検査でスギアレルギーもしくはダニアレルギーが確定しましたら、いよいよ治療に入ります。

②治療開始以降

1. 舌下免疫療法開始時1週間分のみの処方になり、再診料、薬剤料を合わせて、シダキュアは約1,530円、ミティキュアは約1,550円の負担になります(3割負担)。

2. 2回目2週間分の処方になります。同じく再診料、薬剤料合わせてシダキュアは約1,2001,300円、ミティキュアは約1,4001,500円の負担になります。

3. 3回目以降4週間分ずつの処方になります。シダキュアは約1,8001,900円、ミティキュアは約2,3002,400円の負担になります。

 

通院の課題

舌下免疫療法は、35年という長期間にわたって通院を続ける必要があり、多くの患者が「通院負担」という壁にぶつかります。

  • 35年という長期間の通院が必要
  • 薬剤は基本的に1ヶ月分の処方で、通院頻度が高い
  • クリニックが混雑するシーズンでも通院が必要
  • 服薬を中断すると振り出しに戻る

仕事が忙しくて通院ができなくなったケースや、感染症流行期に通院を避けて治療を中断するケースが増えています。そのため、舌下免疫療法の治療については3カ月目以降はオンライン診療も可能ですので、ご相談ください。

対象となるアレルギーと適応条件

舌下免疫療法は、アレルゲンに少しずつ体を慣らしていく治療法ですが、すべてのアレルギーや年齢には適応しません。

舌下免疫療法で治療できるのは、現在のところ「スギ花粉」と「ダニ(ハウスダスト)」のアレルギーに限られます。ヒノキやブタクサなどの花粉、ペットや食べ物によるアレルギーには使用できません。

適応年齢と子どもへの実施可否

舌下免疫療法は、小さなお子さんから大人まで治療が可能ですが、年齢に応じて注意点があります。特に子どもの場合は、薬を正しく使う理解力が必要なため、おおむね5歳以上が治療の目安とされています。

服薬は、薬を舌の下に1分ほど置いてから飲み込むという手順で、毎日続けることが重要です。小さな子どもでも、保護者のサポートがあれば継続は十分可能です。

 

 

効果が現れるまでの期間

舌下免疫療法で根本的な体質改善効果を得るためには、35年の継続的な治療が推奨されています。※4即効性のある治療ではなく、体を少しずつアレルゲンに慣らしていくため、年単位でじっくり取り組む必要があります。

個人差はありますが、治療開始から数か月後には症状の軽減を感じ始め、約1年経過すると多くの人が効果を実感します。さらに35年継続することで、治療終了後も長期にわたり症状が抑えられる状態(寛解)を目指せます。

毎日正しく服薬を続けることが大切なポイントです。長期戦にはなりますが、焦らず継続することで、将来的に薬に頼らない快適な生活が期待できます。